白石忠志『法律文章読本』を読んで
白石先生の話題の新著、『法律文章読本』を通読してみました。
中学生時代の愛読書が本多勝一の『日本語の作文技術』※(本書でも引用されている)であり、高校でも木下是雄『理科系の作文技術』を食い入るように読んでいた自分としては、この手の文書読本をある意味懐かしさを持って読みました。懐かしさのあまり、積読山の最底辺にある三上章『象は鼻が長い』だとか岩淵悦太郎『悪文』を取り出して、活版印刷特有の凸凹した紙面を愛でてしまいましたよ。
さすが法律家の書いた文章読本と思ったのは、いくつかの事例から自分なりのルールを設けたり、突然天からプリンシプルが降ってきたりというようなことではなく、典拠となるルール(公文書作成の考え方)を示し、それとの対照においてあるべき文書像を示しているところです。あと、「公文書作成の考え方」がごく最近(2022年)に改訂されていたということや常用漢字も増えているということは、本書を読んで初めて学んだことでした。
以下は、白石先生の文章読本そのものへの感想というよりも、読んで自分の興味が刺激されたことをいくつか書いていくことにします。
※『日本語の作文技術』の中で一番好きだったのは、現在入手できる文庫本では削除されてしまった、万年筆やインク、原稿用紙のところの記載で、それに刺激されて、丸善だとか、今は亡き新宿の紀伊国屋アドホック店だとかに行って、文房具を憧れをもって見ていたことを思い出します。
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